漁港でズワイガニの集荷作業をする様子

カニは国内外で獲れ、問屋や卸売などさまざまな経路を経て消費者のもとへ届きます。

もちろん、その段階が減れば減るほど価格も安く、新鮮なカニが手に入るということ。

ここでは、意外と知られていないカニの流通経路について見てみましょう。

一般的なカニの流通経路

毛ガニやズワイガニは国内でも水揚げされますが、タラバガニはほとんどが輸入。

下はあくまでも一例ですが、だいたいカニを海外で水揚げして日本で売る場合はこのような経路を経ています。

  1. 1 ロシア、アラスカ(アメリカ)など海外での船上水揚げ

  2. 2 商社

  3. 3 製造加工業者

  4. 4 市場大卸売業者

  5. 5 市場仲卸業者

  6. 6 小売業者

  7. 7 消費者

実は1〜6すべての過程において、地域や業者などによってやり方が違います。

ネット通販の場合は上のどこかが省略されるわけですが、それもケースバイケースなので、まずは市場を通した場合について説明します。

1はもちろん海でカニを獲るところです。まず、この段階ですでに船がロシアなど海外の船なのか、日本の船なのかでカニの扱いも変わります。

海外だから扱いが雑などということはありません。そして海外の船であっても、日本人指導員がいて品質管理を徹底している場合や、全員外国人でカニ漁を行っている場合などさまざま。

さらに、漁船上でカニを水揚げ後すぐにボイルして冷凍することも多く、その場合は1=3ということになります。このボイル・冷凍の技術も現場によって異なります。

余談ですがカニ漁は極寒の船上で行われるため大変過酷で、その分収入も高いと言われます。日本人がマグロ漁船などと同じように「出稼ぎ」として長期間カニ漁船に乗ることもあります。

カニ漁の収入は、出稼ぎかアルバイトかなどによって変わってきますが、年収1000万〜1500万円と言われています。

ちなみにオホーツク海でズワイガニ漁を行うカニ通販会社の日本人スタッフの話では、船上に設置された凍結庫は−40℃になり、開け閉めをするだけでも凍りつきそうだったとか。

でも船での食事は水揚げされたばかりのカニが出てくる(毎食ではありませんが)ので、やはりこれが唯一の楽しみでもあるそうです。

通販でオススメは水揚げ~販売まで一貫して行う会社

先で説明した通り、漁船でボイル、冷凍まで行ってしまえは後は商社や卸売に渡すだけです。

ただ、通販会社によっては、自社で船を持つもしくはチャーターし、水揚げ、加工、販売まで行っている場合もあります。

つまり1〜6を一貫して行っているということ。いうまでもなくそういった会社では間に入る業者がない分マージンも減り、鮮度も良いと思われます。

ただ、かなりの大手で大量の漁獲高がないと船の燃料代や人件費を賄えないため、かえって他社から仕入れている会社よりカニが高くなってしまう場合も。

なのでネットで買うなら、「水揚げから販売まで一貫して行う大手(もしくは専門)の会社」が、比較的良質で安価のカニを手に入れられる可能性が高いでしょう。

ただ重複しますが、水揚げから販売まで行う会社のカニが全てが安いとは言い切れません。

会社によってやり方は実に千差万別で、例えばカニの種類によって自社で漁を行ったり、買い付けたりと分けている水産会社も多いのです。

さらに、船上でボイルして日本に送るか、活のままか、ボイルせずに冷凍して日本に送るか…などと加工のタイミングもさまざま。

ここで大事なのは「漁の現場に目利きがいるかどうか」だそうです。

まずカニは水揚げされたらすぐにサイズ、形、見入りでランクに分けます。

最上ランクのものは高級料亭など向けに活のまま輸出することが多く、ランクが低くなるほどボイル冷凍に回されます(ただしこれも日本に届くまでの時間によって変わり、生きのいいうちに冷凍されることも)。

いずれにせよ水揚げ後に確かな目利きをし、ランクに合わせた処置ができるかが、良いカニが消費者に届くカナメとなるのです。

築地の業者に聞いたウラ話

カニの選べ方を教えてくれた築地市場の鮮魚店で新鮮な焼きたてのタラバを満喫!

これは決して全ての通販業者に言えることではありませんが、数ある業者の中には「初物でないカニを“獲れたて”と偽って販売する」会社もあるそうです。

カニは冷凍でも2年、3年経つほどに味は落ちます。ネットで安く売られているカニはこういったものが多く、特に商品説明ではそこに触れていません。

築地のカニ販売者は「自分たち(対面販売)は初物しか扱わないが、ネットで買う時は初物かどうかを気にした方がいい」と話します。

またカニ通販の注意について、「市場で実店舗を構えている店であれば、信用を損なわないよう誠実な商売をしているので安心なのでは」とアドバイスしてくれました。

もう一つ、カニはボイルよりも「蒸し」の方が断然美味しいとか。

ボイルはお湯の中にカニのエキスが溶け出してしまいますが、蒸した場合は旨みを全部閉じ込めることができます。

残念ながら通販では現地でボイルされたカニを輸入していることが多いので蒸しガニを味わう機会がないですが、ショップによってはスチームで蒸し上げた自社加工のカニを扱っています。

また、生(ボイルせずに冷凍したもの)のカニを購入して自宅で蒸し上げるというちょっと高度なテクニックを使えば、カニの美味しさを丸ごと味わうことができそうです。

まとめ

安く・美味しく・鮮度の良いカニを買うには、どのような流通経路なのかを知ることが大事です。ただ、カニの種類によっても、姿か肩かの部位によっても仕入れや加工の方法が変わるため、すべての流通の仕組みを理解することはとても難しいこと。

ネットで買う際に、「どのように水揚げされたか」「プロが目利きしたか」「確かな場所で加工されたか」が分かる説明がきちんとなされていば、失敗を防ぐことができそうです。