カニを買う時、予算に見合ったサイズを買うのはもちろんですが、なるべく身入りの良いカニを買いたいものですよね。大きいカニを買えば身も詰まっている!と考えがちですが、実は大きさと身入りは関係ないということをご存知でしたか?
身入りの良いカニの選び方とは?
「S」「M」「L」って?「特」って?
そもそもカニは、「S」「M」「L」で大きさを表しますが、たまに「特」「4特」などと「特」の数で表記されている場合もあります。
これについて説明すると、S~Lなどは大きさ、「特」は身の詰まり具合です。
「特」が多いほど身が詰まっていて、1特→4特の順に身の詰まりが良いという意味です。
「若ガニ」か?「堅ガニ」か?
ですがその前に、最も気にしなければならないのが「若ガニ」か「堅ガニ」かということ。
カニは脱皮を繰り返す生き物です。脱皮したばかりのカニは「脱皮ガニ」と呼ばれ、栄養が少なく、身がスカスカです。
また脱皮直前のカニも今の殻を脱いで新しい殻に覆われるため2枚皮(殻の中にもう一枚殻がある状態)になり、身がブヨブヨで身入りは十分ではありません。
それに対して脱皮してから時間が経ち、身がパンパンに詰まったカニのことを「堅ガニ」と呼びます。それぞれの段階でどのぐらい品質に差があるのか、次で説明します。
堅ガニ=最高ランク
堅ガニは脱皮を終えてからかなり時間が経ったカニです。身入りは90~100%とみっちり詰まっています。
なんとその時期のカニの全漁獲量のうちで「堅ガニ」の獲れる量は30%程度と希少で、主にギフト用として使われたり、高級料亭などで使われたりしますので、一般家庭用ではあまり扱われないかもしれません。
若ガニ=低ランク
脱皮ガニよりは一ランク上ですが、
実は一般的に最も多く流通している自宅消費用のカニが若ガニなのです。
身入りも60~80%なので、個体によっては「スカスカ」に感じられる場合もありますが、スーパーなどでも高級品として高く売られていて、普通に美味しくいただけます。
脱皮ガニ=最低ランク
水ガニとも呼ばれます。
身入りが60%未満で、むき身にして加工品になったり、訳ありとして安く販売されます。
このようなカニを通常の価格で販売する業者もあるので、気を付けなければいけません。
それぞれのカニの「堅ガニ」の時期って?
ではいつが「堅ガニ」の時期なの?という点が気になりますよね。
実はカニの種類によって、「堅ガニ」になる時期は違います。
生息エリアや個体によって違うので一概には言えませんが、以下の脱皮時期を参考に考えておけば良いでしょう。
タラバガニの脱皮の時期
タラバガニは早い個体で11月頃から脱皮の準備を始め、2枚皮になります。
ですので、脱皮準備を始める前の9~10月か、もしくは、脱皮をしてから時間が経った5月頃以降が堅ガニである確率が高いとされます。
毛ガニの脱皮の時期
2~3月くらいから脱皮を始める個体が多いようですが、大きさによって脱皮の時期が異なります。
タラバガニと違い、カニ味噌が美味しくいただける毛ガニは、脱皮前の身やカニ味噌がフルに詰まったものを選びたいですね。
ただ、若ガニは堅ガニに比べて安い上、身が少ない分だけ栄養が凝縮しているので甘味があったり、柔らかいので殻から身を出しやすいなどメリットもあります。
ズワイガニの脱皮の時期
雄ガニと雌ガニで違いますが、雄ガニは5cm以上の大きさになると1年に1回脱皮し、その時期は9~10月頃といわれます。
これに対し雌ガニは成熟した「親ガニ」になると脱皮はしなくなります。成熟した雌ガニは年中卵を抱えており、内子も外子も絶品とされています。
堅ガニと若ガニの見分け方って?
市場などで買うなら、自分で確かめて選ぶことができます。
例えばカニの殻を指で押して、柔らかくてフカフカとへこむ場合は若ガニです。
また脚の一番太い部分をつまんでスカスカしているものも若ガニの可能性があります。
一方、甲羅にフジツボやカニビルの卵が付着しているものは堅ガニです。フジツボは堅い物に付着する生物だからです。
黒いボツボツのカニビルが付いていると見た目は悪いですが、その分カニが脱皮してから海の中で生きていたという証拠です。
カニビルが多ければ多いほど堅ガニであると考えて良いでしょう。
自分で触って確かめられない場合は?
ただ、目で見て触って購入できる場合は良いですが、通販では若ガニか堅ガニかを自分で調べることができません。
そこで、確実に堅ガニをゲットしたいなら、次のポイントを押さえておくとハズレを引くことはないでしょう。
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「このカニがあなたのもとに届きます」と、写真で明示している業者は信用できる。茹で方にもこだわっているとなおGOOD。
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「獲れたて」「新鮮」といった文言に踊らされてはいけない。時期外れや脱皮直後のガニが単に「活」「未冷凍」と銘打つだけで高値で販売される場合もある。
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「冷凍」でも、堅ガニの時期に水揚げしたものを船上か浜で茹で、瞬間冷凍したものを選ぶ。できれば水揚げ-茹で-梱包まで一貫して行っている大手が良い。
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g(グラム)表記は注意!冷凍して氷の膜(グレース)がかかった状態で計って「毛ガニ600g!」などと表記しているより「毛ガニLサイズ」と正しい個体のサイズを明記している業者が安心。
まとめ
大きいサイズでも身がスカスカだったり、水が多かったりと、数字では分からないカラクリがあるのですね。
実際に見て選べない通販では、やはり信用が第一ですが、電話で「若ガニですか?堅ガニですか?」と聞くか、身入りの状態をたずねてみましょう。
はっきり回答してくれない業者は避けたほうが良いかもしれません。
これからますます高騰するカニ。少しでも身入りのいいカニをGETするべく、豆知識を増やしてくださいね!