お歳暮のシーズン。お世話になったあの人に、豪華なカニを贈ろう!と考えている方も多いでしょう。
しかし、サイズや部位、生かボイルかの状態など、どのようなギフトを贈るかで迷ってしまいませんか?ここでは、カニを贈る際の選び方や注意点をお伝えします。
やっぱり「訳あり」はNG?
通販サイトに踊る「激安」「訳あり」の文字。確かに、少しでも低予算で済ませられれば有難いところですが、安い分リスクを伴うのは当然のことです。
「訳あり」の「訳」にも色々ありますが、サイズが小さすぎる、足が折れている、甲羅に傷がある、といった見た目の問題のほかに、
「冷凍保存期間が長くて身がスカスカになった」
「売れ残りをアルコールで洗って出荷」
「脱皮したばかりの若ガニ(身がブヨブヨで水っぽい)」
など、味が劣化したものも多いのが現状。
自宅用なら気になりませんが、ギフトで贈る際には「訳あり」は避けた方が良いでしょう。
実際、自分がギフトで不完全な形や美味しくないカニを貰ったらちょっと微妙ですよね。
貰って嬉しい・あげて喜ばれるカニを贈るためには、やはり「訳なし」がベストなのです。
人数に応じたカニのサイズって?
贈る相手が何人家族なのかも重要です。多めに送っても冷凍保存できますが、少ない場合はせっかくのカニなのにちょっと寂しい食卓になってしまいますよね。
カニの種類によって1人で満足できるサイズ感は違いますので、以下でそれぞれ見ていきましょう。
タラバガニ
丸ごと1匹(姿)で贈るとインパクトも大。
姿の場合のサイズの目安は、S(約500g)で大人1~2人前、M(約1kg)で大人2~3人前、LL(約2kg)で大人5~6人前とされています。
肩(フルシェイプ)の場合は
- S(300g以下)
- M(301~500g)
- L(501~700g)
- 2L(701g~900g)
とされていますが、S、M、Lという表記は産地によって若干異なり、また店の表記基準も定められていないので、あまり役立たないことが多いようです。
一般的には1肩約1kg~1.5kgあれば大人2人分と考えてよいでしょう。
ズワイガニ
一般的に
- S(約350g)
- M(約500g)
- L(約1kg)
とされています。
大人1人前ならS、2~3人ならM、3~4人ならばLというのが目安です。
毛ガニ
毛ガニはカニミソを楽しみたいので、1人1匹が理想です。
サイズの目安は、
- Sで約300g
- Mで約500g
- Lで約600g
といったところです。
Lの場合は縦半分に切って2人で1匹でも十分です。
同じ500g。「ゆで」と「生」どちらがおトク?
注意したいのは、カニはゆでると水分が抜けるため重量が減るという点。
タラバガニやズワイガニは約20~30%、毛蟹は約10~15%程度重量が減ると言われています。
同じ値段で比較した時、「生で500g」「ゆで500g」 の2種があったら、
間違いなく「ゆで500g」の方がおトクということです。
さらに気をつけたいのは、悪い業者になると「冷凍」の状態で測った重量を表記していること。
冷凍されたカニは氷の膜(グレース)に覆われており、生の状態より重量が増しています。
買う時は必ず、「ボイル後の重さです」「氷の重さは含みません」と明記されたものを選ぶのがポイントです。
生だから良いというものではない?
カニを贈る時に気をつけたいことがまだあります。
それは「相手が食べやすい状態で送る」ということ。
カニの流通は次のような状態に分けられます。
- 生きている「活ガニ」
- 生きていないが熱処理をしていない「生ガニ」
- 生ガニを冷凍した「生冷凍」
- ボイルした「ボイルガニ」
- ボイル後冷凍した「ボイル冷凍」
活ガニは市場に行くとよく見かけますが、通販での流通はわずかです。しかも活ガニは贈る相手がかなりカニを扱い慣れていないとかえって迷惑になってしまうことも。
生ガニも、新鮮ではあるもののゆでるのにはコツや大きな鍋が必要。
またカニを食べ慣れていない人は、生冷凍のカニを加熱処理せずに食べられると思ってしまい、刺身にして食あたりを起こすことも考えられます。
相手のカニ経験値や、食べるシチュエーションを想定して選ぶことが大切です。
カニをさばくことができそうな相手なら
生きている活ガニがよいでしょう。
貴重で高価ですが、動いているカニが届いた時の驚きは相当ですね。
ただ、通販で扱っている業者は少ないです。
しかも鮮度が大事なので、その日のうちに調理しないとすぐに味が落ちていきます。
さらにタラバガニなど大きなものはさばくのが大変です。毛ガニなら家庭でも調理ができますが、活のタラバやズワイを贈って喜ばれるのはプロの料理人ぐらいでしょう。
カニを食べ慣れていそうな相手なら
生ガニでもよいでしょう。ボイルの方法を知っていて、大きな鍋があるなど、カニの調理に慣れている相手であれば上手に茹でることができるはず。
ボイル以外にも焼きガニにしたり、カニしゃぶにするなど、さまざまな食べ方ができるのも利点です。
ただカニしゃぶを作るには、カニの脚の関節を折って持ち手を作るなど工夫が必要。
なのでカニしゃぶ用には脚つきのむき身(ポーション)の状態で送るのが最適です。
ポーションでは1人前約200g~300g、殻付きの場合は1人前約500g必要です。
一般的にカニギフトとして贈るなら
やはりボイルしたものが無難でしょう。
ボイルでも、冷凍していないものとボイル後冷凍したものがあります。
「冷凍したものは味が落ちる」と思われがちですが、実は最近の冷凍技術はかなり進化しているため、船上で水揚げ後すぐにボイルし、急速冷凍しておいしさをそのまま閉じ込めたものも多いようです。
しかしこの「ボイル」や「冷凍」のタイミングも業者によってさまざま。
水揚げから輸送までの各プロセスが迅速に行われていれば問題ありませんが、
「水揚げ→一度冷凍→解凍→ボイル→再び冷凍」など冷解凍を繰り返し、どんどん味が劣化したものも稀にあります。さらには冷凍されてからかなり時間が経っているものも。
買う時は「自社で水揚げから加工まで一貫」「船上でボイルし急速冷凍」など、複数の業者の手を経ていないことがわかるものが望ましいでしょう。
こちらの記事も参考に⇒カニ通販で失敗する原因と防止対策
まとめ
筆者の個人的な経験で話すと、毛ガニの場合は「活」で贈られてもさほど困ることはないような気がします。
毛ガニは殻も柔らかく、さばくのも比較的ラクです。毛ガニの刺身は本当に絶品で、ゆでる場合でもタラバやズワイと違って大鍋が必要ありません。
一方、冬にみんなでカニしゃぶをしたい時はタラバかズワイのポーション、カニ本来の濃厚な旨味を味わうならタラバのフルシェイプのボイルが嬉しいですね。
いずれにしても贈り物として一番テンションが上がるのが「カニ」です。皆さんも上手にチョイスして、喜ばれるお歳暮を贈ってくださいね!